司法試験(2015年度)

司法試験合格者を囲む会(抄録)

日時:2015年10月10日(土)18:00~19:00

於:有料自習室ソレイユ池袋西口室ロビー

1 講師自己紹介

国立大学法学部2011年3月卒

都内の中堅私大法科大学院2013年3月卒

2015年9月 受験3回目で合格

租税法選択

2 合格体験談

⑴ 1回目受験⇒短答落ち(216点/350点:合格最低点220点)

① 敗因分析、学習方針

・短答落ちであったため、基礎知識不足を痛感→7月から短答の過去問を回す。

・論文については足切りのため採点されず、再現答案は9月の発表後に合格者1人だけに見てもらった程度

→三段論法ができているところもあり、部分的に良い評価を受けるところもあった。一方で、刑訴の伝聞証拠など、知識が不正確な点を指摘される。

→「書き方」はそれなりにできているから、あとは論点落としをしないため、問われている論点について正確に解答できるように知識をつけることが課題だと考える

⇒勉強のテーマは知識の量と質を高めるということに。

・予備校の論証読み込み講座を受講

⇒論証パターンのストックを増やすことに

② 具体的な勉強内容

・引き続き短答過去問の演習

・各科目定評のある演習書に出題される論点について論証を作成

・過去問については時間を計って解くことはせずに予備校の解説講義などを参考に出題された論点について論証を作成-いわば論点つぶしとして利用

・時間を計って答案を作成したのは、年明けから受講したLECの答練と全国模試のみ

⑵ 2回目受験⇒論文落ち(2600番台)

① 敗因分析、学習方針

・論証を書くトレーニングはしていたが、問題演習の量が少なく、あてはめでどういう事情を拾って評価するのかということの練習が不十分だった(特に刑事系)。

・出題論点について論証は覚えていたが、そもそも当該論点が出題について聞かれていることに気付かなかった(特に会社法)。

→論点抽出レベルの問題

・自分の答案構成と出題趣旨とを照らし合わせると、だいぶ出題趣旨から外れていた。

→やはり論点抽出能力に課題あり

⇒過去問を分析して、どういう問題文の事情から論点が出てくるのか訓練をする必要

-予備校の過去問解説講義を聞いて分析したつもりになっていたが、出題された論点について論証を作ったり、まとめただけで、自分の頭を使って論点を抽出する訓練はしていなかった。

・今回、答案の枚数は刑法以外5枚前後。

→筆力の不十分さ、思考や構成に時間がかかってしまう

⇒時間を計って答案を作成するトレーニングをもっと行う。

ゼミ等での法律の議論をする機会を作り、思考を言語に素早く変えられるように

・複数の演習書に手を出した結果、消化不良になり、どれも中途半端な理解になってしまった

⇒演習書を各科目1冊にしぼり、それを複数回回して、理解を深めることに

② 学習内容

・予備校の過去問ゼミを受講する。このゼミを通じて過去6年分について分析検討をする。大体3年分については、複数回書いて(2回目以降は、1時間40分の制限時間で)、試験委員が求める答案、自分が目指すべき答案作成するトレーニングを重点的に行った。

・2月以降、平日は一人の友人と毎日過去問を1問書いていた。答案作成後は、スキャナでpdf化し、googleドライブを利用してファイルを共有し、互いの答案を添削。添削に関しては、極力法律論には立ち入らず(法律論は自己責任)、形式面やあてはめの際の事実の評価の妥当性等をコメントする。これを試験の2日前まで続けたことで最後まで書くトレーニングを積むことができ、またモチベーションの維持にもなった。

・演習書に関しては、各科目1冊に絞り、それを繰り返した。刑法以外は、答案化することはなく、思考の流れを意識しながら構成だけ行った。

3 予備校・教材について

⑴ 予備校

ロースクール3年時から毎年答練及び全国模試を受講

2回目受験時には予備校の論証読み込み講座を受講

3回目受験時には予備校の弁護士が開講した過去問検討ゼミを受講

⑵ 教材

憲法:憲法の急所

行政法:事例研究行政法

民法:事例で学ぶ民法演習(北大の教授の共著)、百選

商法:ロースクール演習 会社法(法学書院)、百選

民訴:基礎演習民事訴訟法(弘文堂)、解析民事訴訟法、百選

刑法:事例演習教材刑法 (有斐閣)

刑訴:ロースクール演習 刑事訴訟法(法学書院)、百選

租税法:スタンダード所得税法、ケースブック租税法、税法基本講義

4 自習室の活用

1回目受験、短答試験の発表後の2013年7月から3回目受験までソレイユを利用。

2回目受験時も3回目受験時も数ヵ月間、ソレイユのみを勉強場所として過ごす期間もあったが、気分転換に1週間の半分はソレイユ以外の場所(ロースクールの自習室や大学の図書館など)を利用することもあった。

5 質疑

Q なぜロースクールの同級生とゼミを組むのではなく、予備校のゼミを選択したのか

複数回受験の同級生のみだと法律の議論になった際に、満足のいく議論にならず、非効率的だと考えたことと、学生同士でゼミを組んだ際に、足並みが揃わず急に抜ける人がいたりなど勉強面以外で互いにフォローするなどの面倒を省きたかったことから、予備校の講師が主催するゼミを選択しました。

Q 論証集、論証パターンは、本試験にどれぐらい活かされたか

典型論点が出題されたときは、論証をはきだして、あてはめに時間を割くことができたので良かった。ただ、そのまま論証を使える事案なのかは、注意していた。

Q 時期ごとのインプットアウトプットのバランスはどのような感じだったか

3回目受験の時に関していえば、年明け1月まではインプット中心で、アウトプットは、ゼミの予習復習で過去問を書く程度。年内インプット中心だったのは、5月の本試験から発表までほとんど勉強していなかったため、思い出す作業を重視した。

2月以降は、平日毎日過去問を解くことと答練を受講していたため、アウトプットの機会は増えた。全国模試まではアウトプットを多めにし、全国模試後は、本試験までアウトプットは継続しつつ、自作のまとめノートを利用して全範囲を回したり、短答プロパーを重点的にやったりとインプットの割合が多くなった。

Q 過去問を重点的にやったのは、3年分ということだったが、なぜそれ以上やらなかったのか。

3年分は自分なりに処理できるようになるぐらい力を入れてやるというゼミの方針があったため。ただ、もう少し時間があれば、さらにやっても良かったというかやりたかった。

Q もし今回不合格だった場合、どのような点を修正、改善するつもりだったか

今年インプットに力を入れたものの、やはり本試験前には筆力に不安が残ったため、他の受験生に書き負ける不安はあった。しかし、本試験では、刑法以外6枚前後書けたので、分量的に書き負けることはないと思った。そういう意味で、自分の中でやり残した感はなかったが、それでも不合格だった場合は、今年の過去問を分析して、なぜ求められた答案を作れなかったのか検証し、それを克服するため、自分が重点的にやった3年分以外の過去問なども利用して、必要な力をつけていくと思う。

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